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【正しく訳せますか?】Upon hearing of the new idea, Fred challenged it.【誤訳しがちな英文に挑戦!】

突然ですが、次の英文を日本語でどう表現するでしょうか。挑戦してみてください。

Upon hearing of the new idea, Fred challenged it. 

それぞれの単語ヒントです。

Upon hearing of : ~について聞いて

New idea: 新しい案(アイデア

Challenge: 挑戦、異議

機械翻訳で日本語にすると、「この新しいアイデアを聞いたフレッドは、それに挑戦した。」となります。新しいことに向かって進んでいく、肯定的なイメージですね。

同じ結果になった人も多いのではないでしょうか。

しかし、これは誤訳とされています。

実は、この英文には日本人が間違いやすいポイントがあるのです。

英文は書籍「越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文【決定版】」より引用しました。

この記事では、英文の正しい日本語訳について解説します。

ほんとうに英語を理解しているかを確認する

ダ・ヴィンチ・コード』など数々のヒット作を手がける名翻訳家である越前敏弥さんの著書に今日の英文が紹介されていました。

参考:越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文【決定版】

英語が理解できているのをどうして知ればよいのでしょうか。それは、訳してみるしかないと著者は言います。

いくら英会話ができても、TOEICで高得点をとれても、あなたは英語をわかった気になっているだけかもしれません。英語を正しく理解しているか否かを知るには、訳してみる以外に方法はないのです。

それでは、翻訳の紹介です。

「新しい案について聞くと、フレッドは異議を唱えた」

機械翻訳では、「この新しいアイデアを聞いたフレッドは、それに挑戦した」となり、肯定的なイメージでした。しかし、正しい日本語訳は、否定的な意味も含まれています。

日本語化している英単語の罠

ポイントはChallengeの意味です。challenge を日本語の「チャレンジする」と考えた人は、「日本語化している英単語の罠」にひっかかっています。

TOEICにチャレンジする」「新しい仕事にチャレンジしてみる」など、日本語でもよく使う単語だけに注意が必要です。

日本語の「チャレンジする」は、新しい内容や高いレベルへ「挑戦する」という意味で使われますね。

英語ではどうでしょうか?

英語の「Challenge」は、日本語の「挑戦する」とは少しだけ違った意味を持っています。この意味の違いが、大きな誤解を招く原因にもなります。

英語の「Challenge」は、「異議を唱える」が本来の意味です。

この動詞の訳語はいくつかありますが、本質的には「〜に対して挑みかかる、抗議する」という意味。ボクシングの challenger や、テニスの試合での審判へのchallenge を思い浮かべてください。本来の意味は「挑んでみる、異議を唱える」です。

英文の「Challenge」は、Fredが新しい案に対し、異議を唱える、反発する、という意味になります。つまり、この文章は、フレッドが新しい案を聞いたとき、それに対して疑いや反対意見を表明した(彼はそれに "challenged "した)ということを言っているのです。この文脈での "Challenged" は、フレッドがその案の妥当性や実現可能性に疑問を呈したことを意味します。しかし、完全に否定しているわけではなく、文脈によっては改善のための異議も含まれます。

さて、日本語訳がわかったところで、まだどのような状況で英文が使用されるかイメージできない人もいるかと思います。

次は、より深く英文を理解するため、”フレッドが異議を唱えた状況例”をご紹介します。

フレッドが異議を唱えた状況の例

友人たちが座って話をしていたとき、その中の一人が楽しい冒険のための新しいアイデアを思いついたとします。同じくグループの一員であるフレッドは、そのアイデアに耳を傾けますが、興奮するどころか、「それはうまくいかないと思うね」 "I don't think that's going to work" 「その計画には疑問点がある」 "I have my doubts about that plan"と言いました。基本的にFredはそのアイデアに疑問を持っていて、それが良いものかどうか対話しながら探るように考えを述べている状況です。こういったとき、フレッドは新しいアイデアに異議を唱えた「Fred challenged the new idea」となります。

次は、「challenge」がどのように使われるかを説明するために、より具体的な状況についていくつかの英文例を挙げます。

文脈で変わる「challenge」の解釈(4例)

  1. Upon hearing of the new idea, Fred challenged it by pointing out potential flaws. He said, "I think this idea has some serious weaknesses we need to address before moving forward." 
    イデアを聞いたフレッドは、その欠点を指摘して異議を唱えた。「このアイデアには、前進する前に解決しなければならない重大な弱点があると思う」と言ったのだ。
    これは、フレッドがそのアイデアを改善し、よく考えられていることを確認しようとしていることから、肯定的な行動となりますね。

  2. Upon hearing of the new idea, Fred challenged it by dismissing it outright. He said, "That's a terrible idea. Let's not even bother with it." This could be viewed as a negative action, as Fred is dismissive and not considering the idea further.
    イデアを聞いたフレッドは、それを否定することで、このアイデアに異議を唱えた。それはひどいアイデアだ。と言った。
    フレッドがそのイデアを否定し、それ以上考えようとしないことから、否定的な行動とみなされる可能性がある。

  3. Upon hearing of the new idea, Fred challenged it by suggesting changes. He said, "I like the idea, but I think we can make it even better by doing X and Y." This could be viewed as a positive action, as Fred is trying to improve the idea and make sure it is well thought out.
    新しいアイデアを聞いたフレッドは、そのアイデアに異議を唱え、変更を提案した。彼は、"そのアイデアは好きだが、XとYをやればもっと良くなると思う。"と言った。
    フレッドがそのアイデアを改善し、よく考えていることを確認するための前向きな行動と見ることができますね。

  4. Upon hearing of the new idea, Fred challenged it by putting it to the test. He said, "I think this idea has some potential. Let's put it to the test and see how it performs." This could be viewed as a neutral action, as Fred is trying to examine the idea and its potential.
    新しいアイデアを聞いたフレッドは、実際に試してみることにした。このアイデアには可能性があると思う。と言った。
    フレッドがアイデアとその可能性を検証しようとしていることから、中立的な立場での意見ですね。

文全体のトーンは文脈とフレッドの挑戦がどのように行われたかによって変わることに注意することが重要です。

まとめ

日本人が誤訳しやすい英文を紹介しました。「Upon hearing of the new idea, Fred challenged it. 」は「新しい案について聞くと、フレッドは異議を唱えた」という意味です。ポイントはChallengeの意味です。「チャレンジする」と考えた人は、「日本語化している英単語の罠」にひっかかっています。英語の「Challenge」は、「異議を唱える」が本来の意味です。この動詞の訳語はいくつかありますが、本質的には「〜に対して挑みかかる、抗議する」という意味です。しかし、完全に否定しているわけではなく、文脈によっては改善のための異議も含まれます。

誤訳しやすい英文は次の書籍を参考にしました。

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文【決定版】